もし、集まったとしても練習に身が入らない事は一目瞭然だ。 だから、先週は練習をしなかった。 考えるための時間にあてた。 ボーカルの篤が抜けただけでこんなにも俺たちのバンドは瓦解寸前まで追い込まれていた。 「どうするも、こうするも…」 拓弥がチラリと俺の方を見る。 そんなのは俺が考える事だろうとでも言いたげだ。 俺は窓に背を預け、この1週間考えていた事を思い返す。