「俺たちの音。どうだった…?」 君の心に響いたかな…速水くんが恐る恐る聞いてくる。 多分、これが最後の切り札なのでしょう。 私をこのバンドに誘うための。 私は…私は… 正直に答えよう。 「その音に乗せて歌いたい…です」 「「「「っ!」」」」 「けど、私にはやることが…」 下を向き呟く。 心のままに答える。 「家の事なら大丈夫よ」 「えっ!?」 「「「「誰?」」」」 どこからともなく、声が聞こえてきた。 そちらの方を見ると、いつの間に帰ってきたのかそこにはお母さんが立っていた。