彼の口が動いた。 「放課後…」 「…え?」 「放課後、時間あるか?」 伺い見る速水くん。 その横では鈴木くんと宮田さんも私を見ている。 答えを待っている。 その問いに答えなければ。 だけど、放課後は… 「む…無理、です」 家の事があるから、早く帰らないと。 残って何かすると言うのは難しい。 「あ。そうだった!かなで、お母さんの代わりに家事とか全部やってるから…」 今、思い出したと言わんばかりに、晴香ちゃんが速水くんに言った。