「ど、どうして…私をバンドのボーカルにしたいのですか?」 「それは…」 宮田さんが言葉に詰まる。 チラッと速水くんの顔を伺っているようにも見えた。 彼がリーダーなのでしょう。 彼に話すのか判断を委ねている様子。 速水くんが一度、深く目を瞑りそしてその瞳が私を捉えた。 その眼差しから逃げる術はなく、私も彼を見つめた。 何か、何か彼にも思う事があるようにも思えて。 逸らしてはいけないように思えて、私もその瞳に真っ直ぐと答える。