パクパクと金魚のように口を開いたり閉じたりを繰り返す。 そして、意を決したのか言葉が発せられた。 「晴香ちゃん、歌っていましたよね…?」 ぼそっと小声で呟かれたそれは、小声のはずだが普通に聞こえた。 信じたくはないが、一応聞いてみると言った感じだ。 だが、それは直ぐに否定される。 「歌ってないよ」 「ええっ!そ、それは、本当…ですか?」 「うん」