顔を上げる事が直ぐには出来ず、言葉が先に出る。 「あ、ありがとうございます…」 「いや」 頭上から聞こえてくる声。 その声は速水くんのもの。 「その子、誰?」 「さて、誰でしょ~?」 晴香ちゃんが面白そうに言います。 もう、晴香ちゃん酷いです。 また、背中を押すなんて… 変な声が出たじゃないですか。 それに、皆さん私のことを分かっていないみたいです。 こんな格好をさせるからですよ… こんな、こんな、可愛らしい服、私には似合いません!