そして、5分も経っていない頃だろうか。
セバスさんが私から離れた。
「如何でしょうか。お嬢様」
「うん。上出来よ、セバス。ありがとう」
セバスさんが私の背中に手を添えて、晴香ちゃんの前に差し出す。
上から下まで見た彼女はぐっと親指を突き出した。
「いえ、私も楽しませて頂きましたので」
「じゃあ、行ってくる。ほら、かなで行くよ」
「行ってらっしゃいませ」
再び、晴香ちゃんに腕を掴まれ、足早に家を出た。
私には…
自分の身に何が起こったのか、さっぱり分からない。
あれよあれよと言う間に全ての服がはぎ取られ、別の服を着せられて。
メガネは取られて、髪の毛も解かれて。
ただ、晴香ちゃんが笑顔で前を歩いていることだけ理解出来た。


