「セバス!」 「はい。お呼びでしょうか?」 音もなく現れた燕尾服の男性。 整えられた髪の毛の一本にも乱れは見られない。 「かなでに服とメイク!」 「畏まりました」 「はい。どーんっ」 「いひゃあっ!」 背中を押され、勢いよく私の体が前に飛び出す。 足を縺れさせながら。 その上、変な悲鳴までも…… そんな私の体をセバスさんが素早く受け止めてくれる。 セバスさんは確か、晴香ちゃんのお世話をする役目の人だったはず。