kiss-choco

ちらりと椿ちゃんを見ると、椿ちゃんはくるくるとよく動きながら、
備品の確認や実行委員への指示をしていた。


可愛くて優しい、ほんわかとした椿ちゃん。

少しうっかりしたところもあるけど、よく気のつく、生徒に人気のある椿ちゃん。



こんな人を好きになる相沢くんが、あたしを見てくれるはず、なかったのかもしれない。



すっかり枯れてしまったと思っていたのに、涙が溢れそうになって、慌てて顔を上に向ける。


もう心が弱ってしまっていた。



「すーずなー。保健のテントでサボりかぁ?」


ポンと肩を叩かれて、振り返ると紗希が立っていた。


「実行委員って競技不参加でもいいなんて、羨ましいなー。
ま、あたしは今年も卓球一回戦負け予定だからさ、終わったらここに来るよ」


「ん」


小さく頷くあたしに、紗希は溜め息をついた。


「なーんか調子狂うなあ。どうしたのさ、一体。この間から、いつもの鈴奈と全く違うじゃん」


「んー、別に何でもないよ。ちょっと疲れ気味なのかも」


へへ、と笑う声は、自分でも分かるくらいに頼りない。

紗希は再び溜め息をつく。