kiss-choco

ど、どうしよう!


めちゃくちゃ怖い!


片桐くんの言う通り、もう少し近付くのは止めておいた方がいいの!?


ああ、何か冷や汗出てきた。
息苦しさすら感じるわ。


手元のプリントを見るフリをしながらも、頭には何の内容も入ってこない。

コトはあたしの想像よりももっと悪い状況だったって、今更かもだけど、分かってしまった。




「――ごめん! 遅れちゃった。もう会議進んでる?」


勢いよくドアが開いたかと思うと、息を切らした椿ちゃんが現れた。


「30分開始時間を間違えてたの、ホントごめん」


照れたように笑う椿ちゃんに、くすくす笑う他の生徒たち。


反射的に相沢くんを見た。
相沢くんは不機嫌そうな顔つきで、窓の向こうの野球部の練習を眺めているようだった。



そだよね。
そんなあからさまに嬉しそうな顔なんて見せない、か。
何しろ怒らせてしまっているあたしまでいるんだし……(自分で言ってちょっと傷つくけど)。


「……鈴奈、本当に大丈夫? 顔色悪すぎ」


小さな声で片桐くんが聞く。

自分じゃわからないけど、よっぽど具合悪そうな顔してるんだろう。


心配させちゃダメだ。
あたしはこくんと頷いて、かすかに笑ってみせる。