kiss-choco


――――それから数日。


校内で、片桐くんと一緒にいる相沢くんを見かけるようになった。

相変わらずの無表情な相沢くんだけど、片桐くんは笑顔で話しかけている。


やるなあ、片桐くん。


やっぱり男同士だと、仲良くなるのも簡単なのかな?



「片桐は笑顔でゴリ押しする性格だから。相沢は持て余してるだろうねー」


昼休み。
窓から見下ろせる中庭に、相沢くんと片桐くんの姿を見つけて。

こっそり様子見しているあたしに、紗希が言った。


「でも、片桐くんってすごくない? あたしでも、相沢くんと普通に話せるようになるまで大変だったんだよ」


ふうん、と紗希は興味なさそうに相づちをうつ。


「ん? 相沢、だいぶアザが薄くなってきてない?」


「ホント?」


紗希の言葉に、窓の下の相沢くんに目を凝らす。
確かに、あんまり目立たなくなってきたみたい。

よかったぁ、と胸をなで下ろす。


「そろそろ、相沢くんに近付いてもいいかなあ」


「片桐に聞いてみたら?」


紗希は冷たく言う。
未だに片桐くんを信用しきってないようだ。

紗希曰わく、あたしは人をもう少し疑わないといけないらしい。