「……行けよ」
気付けば、相沢くんがあたしの手を離していた。
「え? でも……」
ぬくもりが消えた手に少し寂しさを感じながら、あたしは相沢くんの顔を見上げた。
「相沢、鈴奈に用事だった? ごめんなー。ほら、鈴奈」
片桐くんは片手を顔の前で切るようにして謝ると、相沢くんを見ているあたしの背中をぽんぽんと叩いた。
「別に構わない。じゃな」
相沢くんはついっと顔を背けて、あたしの方を見ずに行ってしまった。
「あ、相……」
「鈴奈、早く」
片桐くんがあたしの視界に立ちふさがるようにして、相沢くんの背中を消す。
急かされるようにして教室へと向かいながら、あたしはあっさり去って行った相沢くんが気になって仕方なかった。
相沢くんの手から逃れてほっとしているのか、それともがっかりしているのか。
よく分からなかったけど。
気付けば、相沢くんがあたしの手を離していた。
「え? でも……」
ぬくもりが消えた手に少し寂しさを感じながら、あたしは相沢くんの顔を見上げた。
「相沢、鈴奈に用事だった? ごめんなー。ほら、鈴奈」
片桐くんは片手を顔の前で切るようにして謝ると、相沢くんを見ているあたしの背中をぽんぽんと叩いた。
「別に構わない。じゃな」
相沢くんはついっと顔を背けて、あたしの方を見ずに行ってしまった。
「あ、相……」
「鈴奈、早く」
片桐くんがあたしの視界に立ちふさがるようにして、相沢くんの背中を消す。
急かされるようにして教室へと向かいながら、あたしはあっさり去って行った相沢くんが気になって仕方なかった。
相沢くんの手から逃れてほっとしているのか、それともがっかりしているのか。
よく分からなかったけど。