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「しんっじらんないっ! マジで最悪なんだけど」


翌日の昼休み、あたしは教室の片隅で盛大な溜め息をついた。


「エロい女ねぇ。相沢ってば意外な事言うわねー」


あたしの話を聞いていた紗希(さき)が、くっくっと笑った。


「あんな涼しい顔しててさあ、相沢くんって絶対むっつりすけべなんだよ。
うーわー、最悪。もう最っ悪!」


あたしはお昼ご飯のパンをぎゅうううっと握りしめた。
端っこからつぶあんがむりむりむりっと溢れる。


「じゃあさー、もう諦めたら? 鈴奈(すずな)がそんなに固執することないじゃん」


つぶれたあんぱんを見て、紗希が呆れたように言う。


「……イ・ヤ。絶対オトすの。もう負けられないところまできてるの!」


あたしはぷるぷるっと首を横に振って、はみ出したあんこをぱくっと食べた。


「あたしにはあんたがそこまでムキになる気持ちが分からんよ」


やれやれ、というように、紗希が溜め息まじりに言った。