kiss-choco

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何の進歩もないまま、時間は昼休みになってしまった。

あーとかうーとか唸っているだけでも不思議とお腹は減るみたいで、あたしのお腹がきゅうきゅうと鳴った。


「購買でも行こ……」


この閑散とした図書室にも、昼休みになると人も来るし、ずっとここにもいられないよね。


図書室から一番近いトイレに入って鏡を見ると、目の腫れはずいぶん治まっていた。
これなら午後から授業に出れるかな。どうせ一人でぼんやりしてたって何の名案も浮かばないなら授業受けてる方がましだよね。


「はあ。あたし、これからどうしたらいいのかなあ?」


鏡の前で、微妙に腫れぼったい顔とにらめっこしていると、お腹がまたきゅうきゅう鳴った。


こんなに悩んでるっていうのに、体はお構いなしだなー、もう。
あ、でも朝からジュースしか飲んでないから仕方ないのかな。

朝はご飯なんて食べる元気、なかったもんね。


「えい。こうなったらがっつりと特大カツサンド食べてやる」


お腹いっぱいになったら何か名案が浮かぶかもしれないし。


あたしは鏡の自分に向かって、うしっと気合いを入れた。