kiss-choco

「そんな事より! あたし、これからどうしたらいいかな!?」


問題はそこ。

他の人を見ている相沢くん。
どうにかしてその目をあたしに向けさせたい。


紗希は気負ったあたしをちらりと見て、にっと笑った。


「決まってんじゃん。前進あるのみ。ここでぐいぐい行かなくてどうすんの。相沢に猛攻撃だよ」


「猛攻撃ぃ?」


「そ。今までの鈴奈は、どこか手抜きだったんだよ。これはゲームだもん♪ なんて言ってたくらいだし。
本気で行かないと」


うーん。
紗希の言いたいことは分かるけど、あたしは具体的なアドバイスが欲しいんだけどなー。


そんなあたしの考えは顔に出てたのか、紗希はにやにや笑いながら続けた。


「作戦は自分で立てないとダメだよ。

まあ、相沢の口にあんな熱いキスするくらいの気持ちがあれば、大丈夫じゃない?」


「あ、あれは……っ、つい……」


キスなんてもんじゃないし……。

いや、でも唇は触れた、よね。
うん。

キス?

キスしたことになる?