「片桐には悪いけど、もう諦めてもらおう。
で? 鈴奈はこれからどうすんの?」


「これから?」


「うん。相沢は椿ちゃんが好きなんだよね? 鈴奈はどうすんのさ。新しい攻略対象見つけるの?」


相沢はもうゲームオーバーでしょ? と紗希が続けた。




ゲームオーバー?



相沢くんとの事が?



「無理! だってあたし、相沢くんが好きだもん!」


あたしはきっぱり言った。

昨日気付いた気持ち。
相沢くんが好きだって気持ちは、ゲームオーバーなんて言葉で終わらせるなんて出来ない。


紗希は驚いたように一瞬目を見開いたけれど、それからにやりと笑った。


「ようやく本心言ったかあ。長かったなー」


「え、どゆ事?」


きょとんとしたあたしに、紗希はやれやれといった様子で首を振った。


「鈴奈が相沢を好きな事くらい気付いてたってば。意地っ張りな人間は自分の気持ち認めるにも手間がかかるわねー」


「え!? 知ってたの?」


「当たり前じゃん。このまま気付かないんじゃ困るから、キスして来いって言ったの! 
あんたは鈍感だから、そん位しないと意識しないんだ」