校内に響くチャイムの音。



はい。

放課後になっちゃいました。


「鈴奈。また、明日、ね?」


部活動があるという紗希は、イヤミたらしく一言ずつ区切って言い、手を振って教室を出て行った。


マジで、友達がいがないんじゃない?


あたしは溜め息をつきながらそれを見送り、それから机に突っ伏した。


結局、なーんにもいい案がでなかった。

そりゃ、そうだよね。

ごく普通に当たり前にいきなりキスなんて状況、作れないっつの。


「うー……」


もう帰ろかなあ。
でも、そうしたらこの貴重な1日を無駄に消化してしまったってことで、
残りは2日になってしまう。

何だか、素直に帰られないんだよねー。


机に体を預けたまま、窓の外へ視線を走らせる。


夏も終わったんだなあ。
秋の夕焼け空になりつつあるよ。
時間って、あっという間に過ぎるんだね……。


時間の無常さを感じながら、あたしは気付けばうたた寝してしまっていた。