・.
  ・

「だから、とびきりエロい女になるしかないんじゃないの?」


回想終了。

盛大な溜め息をついたあたしに、紗希があっさり言った。


「はあ? そんなの、ていのいいフリ言葉でしょ? そう言ったら、あたしが諦めると思ったんじゃないの」


けっ、ムカつく、と毒づいたあたしに、紗希がうーん、と首を傾げた。


「そうとも限らないんじゃない?」


「は? どういうこと?」


「いや、本当に好みのタイプだったらどうすんのって事。だったら、鈴奈があんなに告白してもなびかなかったのが納得いくなーって思って」


紗希の視線は、あたしの顔から下がって、胸元へ。


……くっ、そこを攻めるのね、紗希さん。



「そ、そりゃ! あんまり胸ないけど、さ……」


「ないっていうか、貧乳だよね。鈴奈ってスタイルはいいけど、胸元が残念って言うか」


「ひ、酷い! 毎晩巨乳体操してるのに!」


「え、どんな体操? それ効果あんの?」


「姉ちゃんは1カップ上がったって……じゃなくて! ひ、貧乳だからってエロさがないとは限らないでしょ」


貧乳。


う。自分で言ってちょっと傷ついた。