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「おいしー。やっぱりジュリアのプリンはおいしいねー」


昼休み。
あたしは紗希がくれたゆるふわプリンを食べていた。

紗希お気に入りのプリンは甘くてふわふわ。


「でも、何でいきなりプリンなんか持ってきたのよ。紗希ってばこのプリン大好きなんだから、家で食べたらいいのに」


「いやー、分け前?」


紗希はプリンを食べながら、にやっと笑った。

もう。また誰かに買わせたな。

とは言っても、美味しいプリンは嬉しいので黙っておく。


「あ、そだ。鈴奈さあ」


「なにー?」


「体育倉庫で、相沢に担がれたの覚えてる?」


「へ? うん。恥ずかしかったから、よく覚えてるよ」


「お姫さま抱っこの方が、よくなかった?」


「ええー、ヤダ。だって恥ずかしいどころじゃないじゃん!」


ぶんぶんと首を振る。
アレですら人目を引いたのに、お姫さま抱っこなんて恥ずかし死してしまう。


「何でそんなこと聞くのよ?」


「ううん、ちょっと思い出しただけ」


紗希はウヒヒ、と変な笑い方をして、


「さあさ、プリンをお食べ」


と言った。





    *ほんとにおしまい*