「相沢くん……。

あたし、相沢くんが好きなの。


だから……、

  付き合って下さい」



「イ・ヤ」



誰もいない放課後の校舎裏。
遠くから野球部の練習する声が聞こえてきて。
夕日に照らされたあたしの自慢のサラサラ茶髪は、多分キラキラと輝いているはず。
潤んだ瞳は相沢くんを切なげに見上げていて。



雰囲気作りはばっちり。

これでオチない男はいないでしょー!?


って思ってたのに。




イ・ヤ……?




この人、今あっさりすっぱり断りました?



「じゃ、俺もう帰るから」




「ええー、またぁ!? あたし、これで告るの6回目だよ? そろそろあたしに傾いてもいいんじゃないのっ」


あたしはくるっと背中を向けた相沢くんの制服の裾を掴んだ。