ぐずぐず泣きながら、あたしは二人がぼそぼそと話している音を聞いていた。


相沢くんの大バカ。
何も今、椿ちゃんと仲良くする姿見せなくてもいいじゃない。

こんなの見るくらいなら、あたし保健室なんて来なくてよかった。
一人で頑張ってでも、歩いて戻った。


酷いよ、酷い。
相沢くんのバカ……。



何を話しているのかは聞こえないけど、聞きたくもない。

もういい、保健室から出て行こう。
さっさと着替えて、今日は帰ろう。


我慢してここにいるよりはきっといい。
なにより、これ以上辛い思いには耐えられない。



涙をぐいっと拭いて、立ち上がろうとした。



と、爆発音がした。



え? さっきと同じような音? と顔をあげると、閉まっていたはずの出入り口の扉が半分開いていた。


「な、に……?」


誰か来たの? それにしてはすごい音がした、けど。