「イタズラって……。こんな傷までついて冗談じゃ済まないわよ。
ああ、足はもっと酷いじゃないの!」


椿ちゃんは、血が滲んだ足首を見て、慌てて靴を脱がせてくれた。
靴下を脱ぐと、足首は青黒いアザまでできていた。


「早いとこ手当てしてやってくれ」


いつものぶっきらぼうな口調で言って、ふー、と深い息を吐く。


「広瀬さん、他には何もされてない?」


「う、うん。すんでのとこで相沢くんが助けてくれたから……」


「そう。ひとまず怪我はこれだけってことね?」


眉間にシワを寄せた椿ちゃんは、少しほっとしたように言った。


「ちょっと待ってて。すぐ消毒するからね。あと、濡れタオルも用意かしら」


「あ。ありがとう」