kiss-choco

「さ。着替えようか?」


あまりにショックで涙が止まったあたしに、何を勘違いしたのかにこりと笑う木村くん。

着替えようか、じゃない!


「んーーっ! んーーっ!
 (イヤー! イヤー!)」


「ホラ、おとなしくして?」


暴れるあたしに木村くんが手をのばし、
肩を掴まれた。


「鈴奈ちゃんってば……」


振りほどこうと体をよじる。
手足が不自由だと、思うようにバランスがとれない。
あたしはずるずると床に転がった。


ヤバい! これ、身動きとれない!


「鈴奈ちゃんってば……」



木村くんの手が、あたしの腕を掴む。
ああ、もうダメなのかな。

大凶女なんて、誰も助けてくれないんだ……。



その時。


爆発音みたいな激しい音が、した。