黙った片桐に、続けて言う。


「何回フラれても懲りずにいけ、とは言わないけどさ、そんな風に頑張る女もいるんだよ。だから、フラれるからとか、そんなの卑怯な手を使う理由になんない。

ま、これから勝手に反省してなさいよ。あたし、鈴奈探しに行かないと」


こんなバカに構ってらんない。
相沢が見つけてくれてたらいいけど、やっぱり気になるし。


片桐に背を向けて走り出そうとしたら、肩を掴まれた。


「何よ。あんたを責めるのはまた後日ね」


「鈴奈、どうかしたのか?」


あたしの肩を掴む片桐の手には、力が込められていた。


「痛いから離してよ」


「どうかしたんだろ? それで相沢があんなに焦った顔してるんだろ?」


片桐は手を離してくれそうにない。