慌てて相沢の後を追うと、意外にすんなり追いつけた。
「あんた剣道部でしょ!? 運動部なら、あたしを置いてっていいから、早く行ってよ!」
「足! 痛えんだよっ」
相沢のしかめた顔には、汗がにじんでいた。
あ、そうだ。捻挫してたんだ。
「――あれえ? 相沢と紗希ちゃんなんて珍しいペア」
その時。
背中から脳天気な片桐の声がした。
ばっと振り返ると、首にタオルをかけた片桐が立っていた。
「女子テニスの試合が長引いてさあ。やっと昼休みだよ、疲れたぁ。
鈴奈どこ? 昼飯一緒に食おうって言ってたんだけどな」
「片桐ぃっ、あんたねぇ!?」
あたしが片桐に駆け寄るより早く、相沢が片桐に猛然と近寄り、
思いっきり殴った。
片桐はすてーん、と芝生に転げ、立ち上がるのを待たずに相沢がタオルを掴んで無理やり引き起こした。
す、すごい。あいつ、あんなに感情むき出しで怒るんだ……。
「何だよっ! 相……」
「鈴奈どこだ?」
「は?」
「鈴奈はどこだ?」
低い声で質問を繰り返す相沢の手を、片桐は振り払って立ち上がった。
「ってか、意味わかんねーし。こっちが鈴奈探してんだよ」
「あんた剣道部でしょ!? 運動部なら、あたしを置いてっていいから、早く行ってよ!」
「足! 痛えんだよっ」
相沢のしかめた顔には、汗がにじんでいた。
あ、そうだ。捻挫してたんだ。
「――あれえ? 相沢と紗希ちゃんなんて珍しいペア」
その時。
背中から脳天気な片桐の声がした。
ばっと振り返ると、首にタオルをかけた片桐が立っていた。
「女子テニスの試合が長引いてさあ。やっと昼休みだよ、疲れたぁ。
鈴奈どこ? 昼飯一緒に食おうって言ってたんだけどな」
「片桐ぃっ、あんたねぇ!?」
あたしが片桐に駆け寄るより早く、相沢が片桐に猛然と近寄り、
思いっきり殴った。
片桐はすてーん、と芝生に転げ、立ち上がるのを待たずに相沢がタオルを掴んで無理やり引き起こした。
す、すごい。あいつ、あんなに感情むき出しで怒るんだ……。
「何だよっ! 相……」
「鈴奈どこだ?」
「は?」
「鈴奈はどこだ?」
低い声で質問を繰り返す相沢の手を、片桐は振り払って立ち上がった。
「ってか、意味わかんねーし。こっちが鈴奈探してんだよ」



