「――――てな訳で、鈴奈はそんな女じゃないって分かってくれた?」
あたしは目の前の相沢に聞いた。
不機嫌そうな相沢は、小さく頷いた。
「本当は友達のこんな話したくないけど、鈴奈の名誉の為に言うよ。
鈴奈はあんたの唇噛んだのが、初めてのキスだよ。そんな子がセックスだけの付き合いなんて、やれる訳ない」
まあ、あれをキスとカウントしていいのかはわかんないけど、と付け足す。
けど相沢は、そんなあたしのセリフは聞いていないのか、唇の右端に手をやって、何か考えている様子。
かすかに残る傷跡、その傷がついた時の事でも思い出してるのかな。
「鈴……、広瀬は今どこ?」
「体育倉庫に……ってあれ? 遅いな」
話し込んでいたせいか、テントから人はすっかりいなくなっていた。
そっか。昼休みのチャイム鳴ってたもんね。
「体育倉庫? 何で」
「え、と。確か片桐に呼ばれ……」
え、片桐?
噂を流すような卑怯な手を使うあいつが、体育倉庫なんて、それ、ヤバいんじゃ……。
あたしが気付くより早く、相沢が立ち上がった。
「探しに行く」
言うが早いか、相沢は体育倉庫に向かって走り出していた。
あたしは目の前の相沢に聞いた。
不機嫌そうな相沢は、小さく頷いた。
「本当は友達のこんな話したくないけど、鈴奈の名誉の為に言うよ。
鈴奈はあんたの唇噛んだのが、初めてのキスだよ。そんな子がセックスだけの付き合いなんて、やれる訳ない」
まあ、あれをキスとカウントしていいのかはわかんないけど、と付け足す。
けど相沢は、そんなあたしのセリフは聞いていないのか、唇の右端に手をやって、何か考えている様子。
かすかに残る傷跡、その傷がついた時の事でも思い出してるのかな。
「鈴……、広瀬は今どこ?」
「体育倉庫に……ってあれ? 遅いな」
話し込んでいたせいか、テントから人はすっかりいなくなっていた。
そっか。昼休みのチャイム鳴ってたもんね。
「体育倉庫? 何で」
「え、と。確か片桐に呼ばれ……」
え、片桐?
噂を流すような卑怯な手を使うあいつが、体育倉庫なんて、それ、ヤバいんじゃ……。
あたしが気付くより早く、相沢が立ち上がった。
「探しに行く」
言うが早いか、相沢は体育倉庫に向かって走り出していた。



