「あーー。ヒマーー」


保健のテントの下、隅っこにあるパイプイスに座ったあたしは、何度目かの溜め息をついた。

今年ものんびりと図書館で昼寝だと決めていたのに、
何でこんなところでぼんやりしてるんだか。

しかも、今日は日差しが強くて、暑い。
日焼け止めをしっかり塗って、日陰にいるとは言え、紫外線が気になるところ。

あー、図書室なら夏場もひんやりしていて気持ちいいのになあ。


脇に置いていたスポーツドリンクのペットボトルに口をつける。
汗をかいたペットボトルの中身はすっかりぬるくなっていた。
あー、もう。
こんなんじゃまたすぐ喉渇くし。



図書室、一人で行こうかな。
でも、なあ。
あの子を置いていくのは躊躇われるし。


あたしは再び溜め息をついて、体育倉庫のある方角に視線をやった。



あの子は言わないけど、相沢と「何か」あったのは分かる。
そのせいで、ここ数日様子がおかしいんだ。

今日だって変に張り切って、校内走り回ってる。
忙しいんだ、なんて言った空元気の笑顔が泣きそうに見えた。