あたしの手首に、鈍く光る輪っかが二つ。
おもちゃなのかもしれないけど、そうとは思えない重さ。

な、なんてもの持ってるのよ!


「こっちにも必要だな」


手首の異物に呆然としたあたしの両足にも、かしゃん、と音がした。


「き、木村くん! これ、冗談じゃ済まされないってば!
カンキンってやつだよ!?」


「逃げられたら、困るからね。
でも、着替えたあとの鈴奈ちゃんは逃げやしないってわかってるからさ、こんなのは取ってあげるね」


木村くんは怯えたあたしに、にこりと笑ってみせた。
でもその笑顔はこの状況には異常すぎて、あたしはますます怯えた。


怖いよー!
助けてよー!


たくさんの顔が思い浮かぶ。
誰でもいい。
あたしを助けてよー!



助けて!




相沢くん!!