「っつぅーー……。痛ぁ……。
ってぎゃあああああ!」


体を起こそうとしたあたしに、木村くんが体を被せようとしてきた。
伸びてきた腕が、あたしを抱き寄せようとする。


ヤバい!
たーーすーーけーーてーー!



ふわり。
顔にサラサラした布地をあてられた。


「ぎゃーっ! きゃーー! って何!? 何これ!」


慌てて顔から掴みとると、それは服のようだった。


「ああ、埃に気をつけてね。
これはまじかる学園の、マカロンのまじかるドレスだよ。前に、君にそっくりだと言ったの、覚えてる?」


「へ? まじかる……?」



あ!
思い出した!


成績はいつも上位、黒の細いフレームの眼鏡がすごく理知的に見えた木村くん。

付き合いだしてから、酷いゲームオタクだってわかったんだ。

その木村くんがハマっていて、しょっちゅう話をしていたのが、たしかそんな名前のゲームで……。


「君にこれを着てもらいたかったんだ。
僕が君のために作った、特別製さ。
君はマカロンのように、神聖で、穢れがない女の子なんだ。あんな男との汚い関係は、あってはならないんだよ。
でもね、僕はどんな君でも、受け入れて、再び綺麗にしてみせるよ。
喜んでくれるね?」


恍惚と語る木村くん。


ひーーーーっ。
意味わかりません!