体育館では、バレーの試合が行われている。
盛り上がっているのか、声援が漏れ聞こえた。
体育館の裏を小走りに進むと、木造の旧体育倉庫が見えた。
扉が開いているから、片桐くんは中にいるのかな。
「片桐くん、遅れてごめん!」
ぽんっと足を踏み入れると、埃っぽい倉庫内に、片桐くんの姿は見あたらなかった。
「あれ? 片桐く……きゃあっ」
背中を激しい力で押され、あたしは床に倒れ込んだ。
長く使われていないせいか、分厚い土埃がぶわっと舞い上がり、それを思いっきり吸い込んでしまって、げほげほとむせる。
人影が、がたんと扉を閉めるのが、視界の隅に入った。
「げほっ……、だ、誰よ……?」
「僕だよ、鈴奈ちゃん」
笑いを含んだ声。
これは……
「き、木村くん……!?」
倉庫の窓も、埃で汚れてしまっていて、差し込む光もくすんで薄暗い。
その弱々しい光の中に、さっきあたしを笑顔で見送っていた木村くんが、いた。
「こんなにすんなりと、君と二人きりになれるなんて思わなかったな。
行動してみるものだね」
木村くんは、さっきと全く変わらない笑みを浮かべて言った。
盛り上がっているのか、声援が漏れ聞こえた。
体育館の裏を小走りに進むと、木造の旧体育倉庫が見えた。
扉が開いているから、片桐くんは中にいるのかな。
「片桐くん、遅れてごめん!」
ぽんっと足を踏み入れると、埃っぽい倉庫内に、片桐くんの姿は見あたらなかった。
「あれ? 片桐く……きゃあっ」
背中を激しい力で押され、あたしは床に倒れ込んだ。
長く使われていないせいか、分厚い土埃がぶわっと舞い上がり、それを思いっきり吸い込んでしまって、げほげほとむせる。
人影が、がたんと扉を閉めるのが、視界の隅に入った。
「げほっ……、だ、誰よ……?」
「僕だよ、鈴奈ちゃん」
笑いを含んだ声。
これは……
「き、木村くん……!?」
倉庫の窓も、埃で汚れてしまっていて、差し込む光もくすんで薄暗い。
その弱々しい光の中に、さっきあたしを笑顔で見送っていた木村くんが、いた。
「こんなにすんなりと、君と二人きりになれるなんて思わなかったな。
行動してみるものだね」
木村くんは、さっきと全く変わらない笑みを浮かべて言った。



