「片桐、急いでたみたい。鈴奈ちゃん、早く行った方がいいよ」


「あ、うん。ありがとう」


あたしはにこにこ笑顔の木村くんを置いて、旧体育倉庫に向かって走った。



ぱたぱた走りながら、しかし木村くんってば何であんな所にいたんだろ、と首を傾げた。

サボるにしても、もう少しマシな場所があるだろうになあ。


まあ、ちょっと変わった人だし、あたしには理解出来ない理由があるのかもな。