- そして誕生日当日。


俺の計画通りにコトは進んでいく。

イタリアンレストランで食事を済ませ、

2人で車に乗り込めば

夜景スポットに

レッツらゴー!


そこに到着して、

しばし夜景を楽しみながら、

雰囲気作りに専念する俺。


おしゃべりに一息入れるタイミングで、後部座席に手を伸ばし

美沙へのプレゼントを手にして、
美沙の前に差し出した。

すると、たちまち広がる美沙の笑顔。

それは、夜だとゆうのに、眩しすぎる程。


中身を見て、一層、目映(まばゆ)い光を放った美沙。


「孝司、こんな高価なもの、私が貰ってもいいの?」

「勿論さ」


だって、俺の彼女なんだから。


少し驚くように、でも嬉しさを顔に滲ませながら尋ねる美沙に、余裕の笑顔で返事をした俺。


「嬉しい。ありがとう」

今にも俺に抱きつきそうな勢いの美沙。

俺はそれを受け入れる態勢を整えつつ、でも、がっつく素振りを見せたくはない。

ここまで我慢をしてきたんだから。

だから、ここはクールに装い、頷く事で返事した。



そして、しばらくして静けさを取り戻した車内。

俺はタイミングを見計らって、美沙を見つめると、俺を見つめ返す美沙。


俺たちの交わった視線は解かれることを知らない。


俺は心の中で唱える。

“美沙、早く目を閉じろ"


しか~し、

一向にそのような兆しが見えない。


俺…目が痛くなってきた。


こうなったら、
もう、目を開けてようが閉じてようが構わない。


強行突破だ!!