俺の彼女の美沙はとにかく可愛い。
容姿はもちろんのこと、
男慣れしていない初々しい仕草はたまらない。
美沙に直接聞いたことはないが、もしかしたら俺が初めての男なのかもしれない。
美沙の言動を見ていると、そんな気がする。
いや…たぶん、そう。
もしかしなくても、絶対、そう!!
俺が初めてのオ·ト·コ。
アホ面した俺が脳内を駆け回る。
そんな美沙は、同じ会社に勤める同期。
つまり、社内恋愛。
格好良く表現すれば、最近、流行りのオフィスラブと言うやつだ。
俺たちの付き合い始めに、キッカケや特別な言葉なんて無かった。
まぁ、あれだ。
雰囲気で以心伝心みたいな?
思い起こせば、俺は入社式で美沙を初めて見た瞬間…もう恋に落ちていたんだ。
美沙には、俺を誘うような、惑わすような後光が差し、
まるで俺は、蜜の匂いに誘われる蜂。
初めて、虫の気持ちが分かった瞬間だった。
一緒に仕事をするようになって、
その魅力は、俺の中で更に急上昇。
俺は美沙とゆう蜘蛛の巣に捕らわれた、蝶となった。
入社後は、ライバルも多く、
美沙とゆう蜜を求め、男たちは群り、我先にと美沙を奪いあった。
丁寧に仕事を教える振りをして近づくヤツ。
取引先に挨拶だからと連れまわすヤツ。
一番手強かったのは係長で、
コピーやお茶くみをやたらと美沙に頼んでいた。
まぁ、俺はそんな男性陣の高嶺の花である美沙を、あの手この手を使って…時には催眠術さえ使い
なんとか俺だけのものにした。
しかし、俺たちのことは当然、社内では内緒。
だから、書類がどうだとか、資料がどうしたのだとか、
未だに美沙に近づこうとする男は多く、そいつ等をさりげなく排除するのに苦労している。
お陰で、俺は美沙を守るために残業も増えたが、構わないのさ。
なにより美沙も喜んでくれている。
眩しい笑顔で「ありがとう、助かるわ」と、言われれば報われるとゆうもの。