3月2日、羽田空港。

私折敷畑結依は、アメリカから帰還いたしました。
家族も一緒に、久しぶりの日本へ。


ただ一つ違うのは、みーんな灰になっちゃったって事。

去年の家族旅行でクルージングに行った時、船が転覆したの。
私以外みんな溺れて死んじゃった。

一応仏教徒だから火葬はしてもらったけど、焼きあがった骨を見た時はいっぱい泣いちゃったな。
パパもママもお兄ちゃんもお姉ちゃんも、みんな骨だけになって。
それもどんどん崩れていって、最後にはさらさらの灰だけが残って。

すごく寂しい気持ちだったのはよく覚えてる。


でも、1年経ったらこんなに風化しちゃうんだから。
もう涙も出ないし、完全に割り切った。

高校生になるんだから、前向かなきゃだよね。





・・・そういえば、まだ新しい家決めてなかったな。

パパ達のお金があるから、どこかホテルにでも泊まって考えよう。
行く学校は決まってるんだし、すぐに見つかるよね。