「うわあっ!」 ボーッと考えながら歩いていたから、体育館の隅に並べて置いてある荷物に松葉杖が引っ掛かって、あたしは足をついてしまった上に、転んでしまった。 「いったあ…。」 これがとどめとなり、気分はとてつもなく萎えてしまった。 「はぁ…。」 あたしが引っ掛かった荷物を見ると、それはとても見慣れた、ゆったんのものだった。 「ゆったんのバカ…。」 「ん?なに?あ、もしかして俺の荷物のせいで転んだ?」 1人で呟いたはずだったのに、突然上から聞こえたゆったんの声に驚いて顔を上げた。