今は昔、 竹取の翁といふ者ありけり。 野山にまじりて竹を取りつつ、 よろづのことに 使ひけり。 名をば、さぬきのみやつことなむいひける。 その竹の中に、 もと光る竹なむ一筋ありける。 あやしがりて、 寄りて見るに、 筒の中光りたり。 それを見れば、 三寸ばかりなる人、 いとうつくしうてゐたり。 (竹取物語原文から)