「何見てるの?」 声に気付いたときには手のなかから携帯が消えていた。 長い前髪の間から上目気味にその人を見上げた。 「そんな怖い顔してどうしたの?可愛い顔が台無しじゃない」 「可愛くないよ」 「おしゃれしたら絶対に可愛くなる!!私が保証する!!」 そういう美鈴の方がはるかに可愛い。だから、腹が立つ。