『…もっとちゃんと理由聞こうと思って…。
一方的に話しを終わらせちゃったから…』
そう言うと澤田くんはニヤリと笑った。
…午後の部が始まる前にみた、嫌な笑顔。
「大人しい顔して、あんな奴らと連んでるからさ、
あんたみたいなつまんない女に連む理由を探したんだよ。
やっぱり、"体"使ってんの?
それにしてもキスは下手だったけど』
…………っ、
泣くな、私。
逃げるな、私。
『私、体も何も使ってないよ。
キスもさっきのが初めてだった。』
「そう?でも、俺を恨まないでね。めんどくさい」
『うん、恨んでなんか無いよ。この先も恨まない。
初めてのキスが最悪なキスでも
きっといつかは"こんなこともあったな"って
思い出せる日が来るだろうから』

