ギャハハと皆の声が教室に響き渡る。

「まじで恥かいたわー」

私松田萌はしかめっつらをして話す。

「で⁉南は？」

こないだの日曜日私と南はオシャレ雑誌の記者さんから声をかけられた。

てっきり私が声をかけられたのかと思ったらお・と・この南が声をかけられていたのだ。

まあ、たしかに南はそこらへんの女子に負けないくらい可愛い。

でも、ムカつくものはムカつく。

「あー、あの後写真撮ってたよ(笑)」

「まじでー？www」

アハハと皆が笑ってるところに誰かが入ってきて一言。

「撮ってねーよ、盛るなバカッ！」

「あ…」

噂の南ちゃんだ。
彼の名前は前嶋南。

南と私は入学時、席が前後で仲良くなった。

以降ずっとマブダチ関係。

南が後ろを向くとぴょんってかんじの可愛い寝ぐせが見えた。

「南、寝ぐせついてる」

「まじ？萌、くし持ってる？」

と言いながら寝ぐせの部分をガシガシと無理やり直そうとしている。

「あるけど…」

私がそーゆーと

「やってやって」

………………

「…………………」

私はそう言う南が可愛いと思った。

「「やって」だってー、南ちゃんかわい ー❤」

「あーもう！！萌はすぐそんな扱いする
やっぱいい！」

「うそうそ、男前！！」

「バカにしてる！」

私がからかうたびに南は反応してほんと可愛い。

私は南の名前負けしてない女の子みたいなところが大好きなのだ。

教室には私達のやり取りを見て笑ってる皆の声が響いた。