「え、お父さんっ!」 「早いって分かってるよ、でもね…」 お母さんのお墓に早く行きたい。 お父さんはきっと、こう言いたいんだと思う。 「だから、皆にお別れの言葉くらい言っときなさい…」 初めて、お父さんが嫌いになりそうだった。 初めて、お父さんを叩きたくなった。 強く、強く、願っても…。 お父さんのことは、大好きで… お父さんのことを叩いたりなんて出来ない。 嫌いだったら、反抗出来るかな。 何で、素直に『うん』なんて言っちゃうんだろう。