「良かったわね、みこちゃん! じゃあ、ちょっと喉を触らせてもらうね」 「は、いっ」 先生が私の喉を触り始めてから、お父さんがソワソワしながら『どうですか!?』と何回も質問する。 それに対して先生はにっこりと笑った。 「大丈夫そうですね。それに凄いことです、声が出せるようになるっていうのは、何かあった?」 先生は、私の喉から手を離すと、次はニヤリと口角を上げた。 〝何かあった?〟 ──…そうです、ありました。 先生、私ね? 翔太くんに、勇気を貰いました。