好きなキモチ。



私は、何を言っていいのか分からなくなり、黙り込んでしまった。

「…あいつ、俺を殴る力があんなら大丈夫だと思うよ。多分、つわりだと思う。今お腹にいるんだよな?」

「あ、うんっ。……そっか。つわり…良かった」

「清水似の子供だったら凶暴になりそうっ」

翔太くんは、フッと笑いながら私を見た。

「なぁちゃんは、いいところあるよ?」

「まぁ、うん。知ってるよ」



……え?

『知ってるよ』って何?


「機嫌損ねて出て来ちゃったけど、戻るか。戻ってあいつに原因は、つわりって言ってやんなきゃなぁ~。な、みこ?」

「…」

「みこ?」

「…あ、うん。戻ろっか」



私は、一人、なぁちゃんちに歩き出した。