「私より、竹井くんは?
病院に用があるってことは体調が悪かったり…?」
私が竹井くんの顔をのぞき込むように尋ねると、竹井くんはクスクスと笑った。
あ、あれ……ここ笑うところ?
「違う、違うっ。
俺がここに来た理由は、妹がこの病院の研究生で……忘れ物したから持ってきてって頼まれたんだよ」
そうだったんだ。
それより竹井くんって、妹いたんだ…初耳。
てゆうか、竹井くんの妹さんってここの研究生なんだ。
思わず病院を見つめてしまった私に、竹井くんが『あ、出てきたみたい』と言った。
私も竹井くんの見ている方向に目をやる。
するとそこには……竹井くんの妹さんが翔太くんに腕を組みながら、病院から出てきた。

