出発は、来週の日曜日。
身支度を済ませて、お父さんと一緒にお母さんのお墓に顔を出した。
「お父さん、ありがとう」
「寂しいこと言うね。
まぁ、青柳くんと上手くいったら一度は連れて戻って来なさい」
「うんっ」
少しだけ、ほんの少しだけ怖かった。
突き放したあの日、翔太くんを見れなかった。
だから、戻って翔太くんに会ったとしても…また見れないんじゃないかって不安になる。
会うのが怖い。
もしかしたら、彼女がいるかも、奥さんや子供に囲まれているかも…。
「…みこ、怖がらないようにね?」
「お父さんのバカっ!」
…そうだ、怖がるな私。
振られたって、前に進めばいい。