イザヨイはそんなヨゾラに、怯えた瞳を向けて、聞いた。


「ヨゾラ・・・。
あたしの事、怒ってないの?
許してくれるの?」


ヨゾラはイザヨイを、諭すように微笑む。


「当たり前じゃない。
イザヨイは、何にも心配しなくていいからね。
もう、気はすんだ?
魔界へ帰ろう。」


そしてヨゾラはゆっくりと立ち上がり、キャスパトレイユに向き直る。


「天界の王子。
王子と乃莉子に迷惑をかけた処罰は、僕が受けます。
これはイザヨイを止められなかった、僕の罪ですから。
ただ、イザヨイを魔界に送り届けるまで、待っていて下さいませんか。
お兄様との約束なんです。
イザヨイと一緒に、魔界へ帰ると。」


「・・・・・・・・・・。」


キャスパトレイユは、ヨゾラの問いかけに何も答えず、ただ厳しい視線を送るだけである。


「な!!何言ってるのヨゾラ」


その無言のキャスパトレイユに代わって、声を発したイザヨイは、目をまん丸にしてヨゾラに掴みかかった。