そしてライラは、更に訝しげにイザヨイを睨む。


「そもそも、あなた人間?」


イザヨイはライラの言葉に、クスッと小生意気な笑いを返した。


「当たり前ですよ~。
人間じゃなかったら、何なんですか?
キャスパトレイユ様に相手にされなかったからって、あたしに八つ当たりするの、止めて下さい。」


「どう言う意味ですの?」


イザヨイの心無い言葉に、今にも泣き出しそうな小さな声で反論したのは、トルティナであった。


「どういうって・・・そのままですけど・・・。
あなた方、キャスパトレイユ様の、単なる遊び相手だったんですよね?
覇王になられるキャスパトレイユ様が、人間以外に本気になるはず、ないじゃないですか。
あたしが言うのも何ですけど、お立場、わきまえて下さいね。」


記憶を操作されているとは言え、キャスパトレイユは、自分の後ろに隠れ、言いたい放題のイザヨイに、怒りの視線を投げた。


「調子にのるんじゃない。」


厳しい口調のハスキーボイスと共に、一瞬キャスパトレイユの瞳が、ブルーグリーンに変わる。