キャスパトレイユは、非常に困った顔で、う~んと唸る。


その後ろから、ひょこっと顔を出し小悪魔の微笑みを2人に向けるのは、藍色の髪をした大人びた美少女であった。


「イザヨイです。
よろしくお願いします。
あたしが乃莉子の代わりに、天界の王子のお妃様になりま~す。」


「俺にもよく分からないけど、いつに間にか、そうなったみたいなんだ。」


覇気のないキャスパトレイユと、突然現れた胡散臭い美少女を、怪訝な表情でライラが、品定めする。


その隣でトルティナが、眉を八の字にして、悔しさを吐き出した。


「いつの間にかって・・・。
そんなのダメです。
やっぱり納得できません。
乃莉子様はなんと仰っているのですか?
王子様はそれでいいのですか?」


「よく・・・思い出せない・・・。」


キャスパトレイユのやるせない、もどかしさの滲む口調に、ライラは益々怪訝な表情を深めた。


よくよく考えて、ライラは拭えない疑問を口にした。


「イザヨイさん。
キャスパトレイユ様に何をしたの?」


この短時間の観察だけで、確信をつく発言をしたライラ。