テーブルに突っ伏して、乃莉子は大きく息を吐いた。


「キャスが居ないと、ちっとも美味しくないよ・・・。」


いつの間にか、乃莉子にとってのキャスパトレイユの存在は、味覚を変えてしまう程に、大きくなっていた。


1ヶ月も一緒に暮らして、キャスパトレイユとの関係は、キス以上に発展してはいないが、乃莉子の気持ちは、大激変だった。


キャスパトレイユが呪文のように毎日繰り返す

“乃莉子が好きだ”

と、言う台詞に

“私も好きよ”

と、返せるまでに素直になれた。


それを聞いて、屈託なく笑うキャスパトレイユの顔が、隣にないの事が、乃莉子はたまらなく淋しい。


身心共に、ぐったり疲れた乃莉子は、テーブルの冷たさを頬に感じながら、いつの間にか眠りに堕ちていた。