メルヘンの店内は、キャスパトレイユが帰ってきた事で、ざわめきがおこった。


キャスパトレイユが、女子高生と腕を組んで現れたからだ。


当然、乃莉子も驚いた。


キャスパトレイユが女子高生連れで帰って来た事も勿論だが、その相手が見覚えのある美少女だった事に、衝撃を受けた。


「イザヨイさん?
キャス、どうしてイザヨイさんと一緒なの?配達は?」


イザヨイは、乃莉子に勝ち誇った笑いで答える。


「乃莉子、あたしのダーリンに、馴れ馴れしく話しかけないでよ。」


「ダーリン!?」


突然のイザヨイの出現と、唐突なダーリン宣言に、乃莉子の動揺は半端なく、とても平然としていらるものではなかった。


だって、キャスパトレイユが人間界に来てから1ヶ月、お互いの気持ちを確かめ合いながら、順調に愛を育んできたはずだったのに。


なのになんで、イザヨイさんと腕を組んで帰って来るの?
しかも、ダーリンって・・・。


「キャス?」


乃莉子はキャスパトレイユに、静かに問いかけた。