迷うことなくキャスパトレイユが向かった先は、自分達の寝室であった。


「キャスったら、どうして部屋になんか戻っちゃうのよ。
皆様に失礼でしょ。」


乃莉子はワインの力も手伝ってか、キャスパトレイユに文句を言いながら部屋に入った。


キャスパトレイユは不貞腐れている乃莉子を、有無を言わさずグイッと腕の中に引き寄せる。


そして耳元で、甘く囁いた。


「俺達今日から、正式に夫婦なわけだろ?
だからさ。
初夜だよ、初夜。
早くしないと、夜が明けちゃうぜ。
もう俺、我慢の限界。」


「もう!
何言ってるのよ!」


思いっきり不機嫌な乃莉子のことなどお構いなしに、ひょいっとお姫様抱っこをして、キャスパトレイユはベットに向かった。


「乃莉子、愛してる。」


その言葉と共に、これから始まる濃密な夜を、この先の濃密な日々を、2人は幸せに満喫するのである。




END